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教 育 に 対 す る 私 の 見 解
自民党・文部科学部会 専任部会長、衆議院議員 河本 三郎
日本の教育は、いま大変難しい時期に差し掛かっています。社会の急激な変化に対応して、教育のあり方も変わらなければならないという発想から、様々な試みが行われていますが、それが必ずしも所定の成果に結びついていないのが現状です。
例えば、「ゆとり教育」を導入したら、それが学力低下の一因と批判されました。文部科学省はそれ以来、「ゆとり教育」に口を閉ざしています。学校週休2日制も、「休みが増えた分、塾に通う回数が増えた」「子供はどこで何をしたらいいのか」と指摘されています。学校長への民間人起用も、先生方との軋轢(あつれき)を生んでいるケースが多々あるようです。入学したい学校を選ぶ学校選択制も、学校間格差を生む温床になりかねません。
しかし、改革をやめるわけにはいきません。教育は「国家百年の計」であり、次代の子供を立派に育てなければ日本の未来はありません。私たちは、知恵を絞って、これを乗り越えていかなければなりません。以下、5つの視点から私の考えを申し述べます。
第一に、中学―高校の課程を一貫して学ぶ「6・6制」の導入を提起します。現在は、高校進学率が百%近くになり「6・3・3制」が定着していますが、小学6年、中学3年、高校3年と区切る理由が見出せません。教育とは、最終的に全人格的な完成を目指すものであり、「小学6年はここまで」とか、「中学3年までにここまで」と、線引きすることはほとんど無意味に思われます。中でも、中学3年、高校3年の区分けは、どちらにとっても中途半端であり、むしろ一貫して6年なら6年の一定の時間内で個々の子供の特性に合わせた教育を行う方が、教える側、学ぶ側双方にとって有益と考えます。
第二に、「30人学級」の推進です。現在の法律では、公立の小中学校一クラスの児童、生徒数は40人が標準とされておりますが、私は、将来的に一人ひとりの子供の顔が見える授業を行い、基礎学力を向上させるためにも30人学級を推進したいと思います。
第三に、「三位一体」改革の中で論議されている国から地方への補助金削減問題で、一部義務教育費の削減が求められておりますが、私は実施には慎重であるべきだという立場です。これが実施されると、財政力の弱い自治体は、一般財源として移譲された財源を教育費に充てずに橋や道路の建設費に回すことも考えられます。そうすると教育水準が保たれなくなり、教育の機会均等をうたった憲法の精神にも反することになります。やはり、教育は国が財源を保障し地方が自由に教育を実践する、いわゆる教育の役割分担を支持します。
第四に、科学技術教育の充実です。資源小国・日本が、これからも世界の指導的立場を堅持していくためには、経済基盤を確保し、世界に向けて情報を発信し続けなければなりません。その鍵となるのが科学技術の一層の振興であると信じます。そのためには、優秀な研究者や技術者の育成は急務であり、学校教育の中でも、数学、物理などの理科教育の充実に取り組まなければなりません。
第五に、教育や科学技術の分野での人材の育成とそれを達成するための費用の負担です。制度がいくら立派でも、それを運用する人材が不足したり、人がいても実力が伴わなければ制度は活かせません。アテネオリンピックでの日本人選手の大活躍の陰に、有能なコーチ陣がいたことを知りました。教育や研究が成果に結びつくには、長い時間と費用が必要です。すぐに成果を求めるのではなく、育成や助成のための費用は決して惜しまず、じっくり取り組むべきだというのが私の信念です。 |