つれづれに想う
『 命の一曲を歌いたい、私なりに心を込めて。 』
今年は、九月十八日。特別な日になります。この日私は、郷里の兵庫県龍野市と市川町で開かれる骨髄バンク支援の「Gi!nz」(ギインズ)チャリティーライブで一曲を披露しなければならないのです。
催しは今年で三回目となりますが、いつものことながら、大勢の人々の前で歌うには、勇気がいります。しかし、私が歌うことで、人の命を救うことに少しでも寄与できればと、心を奮い立たせます。また、何かと私をサポートしてくれる同僚議員の熱い思いも伝わってきます。下手は下手なりに一生懸命、心を込めて歌おうと、気持ちを新たにして挑戦します。
私が骨髄バンク事業にかかわるようになったのは、平成十四年夏でした。地元の四十代の女性から『いのちのバトンリレー』というタイトルの一冊の本をいただきました。二年前にご主人を「急性骨髄性白血病」で亡くされた時のことを書いたもので、骨髄移植に望みをつなぎ、患者に適合するドナー(骨髄提供者)探しに日夜奔走したこと、わが国ではドナー登録者数が少ないことなど、胸を打つ話が切々と綴られていました。
私の事務所のスタッフがまず動き、スタッフとその家族、関係者四人が早速ドナー登録しました。それぞれが手分けして知り合いや友人、知人にこの話を持ちかけたところ、賛同者が続々と現れ、またたく間に、「未来くらぶ」という支援グループが結成されました。
私も、ファンだった女優の夏目雅子さんが亡くなったこともあって、白血病に関心がありました。ある日、同僚議員の小此木八郎衆院議員らと懇談していた席で、地元で始まった骨髄バンク支援の動きを紹介したところ、彼らは即座に、「自分たちが出来ることは何でもするぞ」と、反応してくれました。
ご存知の方も多いと思いますが、小此木議員、浜田靖一衆院議員、林芳正参院議員、松山政司参院議員の四人は、国会議員バンド「Gi!nz」(ギインズ)のメンバーです。忙しい議員活動のかたわら、あちこちで演奏活動を行い、CDも出している「つわもの」たちです。
こうして、平成十四年八月十一日に兵庫県太子町と佐用町で第一回「Gi!nz」骨髄バンク支援チャリティーライブが実現しました。昨年七月五日には、龍野市と赤穂市で第二回目のライブを開催しました。
友情に甘えて、議員さんたちの交通費は自己負担、宿泊は私の自宅でごろ寝してもらいました。出演料はもちろんゼロ。彼らには感謝の言葉もありません。
地元の人々は「国会議員のバンド?」と、初めは興味半分、期待半分といったところのようでしたが、楽しいショーの連続に盛り上がりました。抜群の歌唱力で魅了する小此木議員、得意のトークで会場を沸かす浜田議員、エレキギター、キーボードを自在に操り、ライブをリードする林議員、本職の歌手顔負けの格好良さで喝采を浴びるギターの松山議員。
友情出演の私も、彼らに負けまいと、汗をかきかき、懸命に歌いました。ライブも大詰めとなり、会場いっぱいの全員合唱の時は、感極まって涙を流す人もいました。
私たちが蒔いた一粒の種が、思わぬ形で開花しました。一昨年十二月の「骨髄バンク支援チャリティーXmasコンサート」には、地元の若者の音楽愛好グループ「龍野ウインドアンサンブル」が主役を買って出てくれたのです。
おかげで、これまで三度のイベントで、会場費などを差し引いて計三十万円の益金を骨髄移植推進財団に寄付することができました。
平成四年からスタートした骨髄バンク事業は、現在十九万人の登録者がいますが、国内の移植待ちの患者数を考えると、統計的に三十万人が必要とされてこれはバンクの当面の目標でもあります。
骨髄移植を受ければ輝きつづける命があります。医学の力だけではどうすることもできない命を、一人ひとりの愛と勇気と優しさで支えることができます。
私たちの活動は、ささやかな一歩に過ぎません。一層の努力が求められています。
私は、骨髄バンク支援活動をライフワークの一つとして生涯続けていくつもりです。