
3月9日、安倍晋三内閣官房副長官を招いて春の「いっしょに、未来。」イベントが相生と龍野で盛大に開催されました。相生は、市民会館の中ホールで昼食をとりながらのパーティー形式で、龍野は赤とんぼ文化ホールで西田龍野市長と評論家の青山繁晴氏が加わって4人による討論会形式で実施されました。
安倍晋三さんは、いま小泉総理の右腕として北朝鮮の拉致問題やイラク問題への取り組みなどで高い評価を得ておりますが、この日は外交問題にとどまらず景気対策や地域など身近なことまで幅広い発言があり、河本三郎自民党12区支部長からは「特区」による景気刺激策など経済再生につながる構想発表などもあり、マスコミ各社が注目するなか「期待どおりの意義深いイベントだった」(来場者談)と好評を博しました。
|

河本三郎
自民党12区支部長 |

安倍晋三
内閣官房副長官 |

コーディネーター役の
戦略アナリスト・青山繁晴氏 |

西田正則・龍野市長 |
【青山】去年の9月17日は、北朝鮮に拉致を認めさせ被害者5人の帰国につながった。ただ、その後交渉は難行しており、今後どうなるか、安倍副長官お願いします。
【安倍】北朝鮮の経済は厳しい状況。食糧もない、エネルギーもない、だから正常化させて日本の援助を貰いたかったのです。いま、私どもは交渉の再開を言い続けております。しかし、それは子供たちの帰国が前提という考えです。亡くなったと言われる8名についても真相究明し、直接その安否を確かめる必要があります。
一方、北朝鮮は危険な核のゲームを始めた。ゲームからは何も得るものがないということを、分らせていかねばならない。そのためにも、アメリカと韓国、日本が国際協調の中でプレッシャーをかけ続けることが必要です。
【河本】先の訪朝は、政治が決断をしたところが大きなポイント。外務官僚に任せていたら埒があかないから政治が前面に出たのが成果につながった。いま、5人は日本に馴染んで仕事に就いた方もいるが、私が心配しているのは、北朝鮮に残った家族が安全かどうか。
【安倍】正常化をしたいのは北朝鮮で、万が一危害を加えたら永遠に正常化は考えられない。ですから、手出しをすることはないと思っています。
【西田】核問題で、今回のことで安全が脅かされていく現実に、どう対処するか。また、他に拉致された方がたくさんいるように聞くが、捜査の行方はどうか。
【安倍】いま全部で150点の質問を北朝鮮側にぶつけているが、答えがない。また、拉致の疑いの問い合わせも多く、国が責任をもって調べていく姿勢です。
核の問題は、「黒鉛減速炉は使わない」と宣言したものを再稼働しはじめて、原子爆弾1〜2個分の抽出を終えたと言われているが、まだミサイルに載せられるレベルにないと認識している。日本に打ち込むようなことがあれば、日米安保によってアメリカが反撃する。これが、北朝鮮に対する抑止力になっています。
【河本】日本の国防体制も、有事法制等で早急に整えなければならない。私が望むのは、家族が早く再会できること、そして、ミサイルを落とされないように毅然とした外交姿勢を貫くべきだと思います。
【青山】いまイラク戦争の足音が聞こえます。この戦争に日本はどういう姿勢で臨むのか、お聞かせください。
【安倍】アメリカとイギリス、スペインが、「3月17日までにイラクが完全即時無条件に査察に協力しなければ最後のチャンスを失う」という決議を出しましたが、日本はその決議を支持しています。それは、イラクがこの12年間、大量破壊兵器を廃棄するという国連との約束を果たさなかったから。イラクはかつてイランとの戦争で化学兵器を使い、4万人を殺しました。クルド族に対してもマスタードガスを使って数千人を殺害した。VXガスという殺人ガスも3・9トンあったはずだが、これらがいまは不明です。イラクは、米軍が包囲して圧力をかけてから漸くぽつぽつ応じているのですが、全然真面目ではありません。
日本は、アメリカとの同盟関係も考慮に入れなければいけません。日本の安全保障は、アメリカの力によって成り立っている。侵入に対しては自衛隊が反撃するが、出かけて相手を叩くことはできません。相手基地を攻撃するのは米軍です。このアメリカの打撃力と日本の自衛力を合わせて抑止力が完成しているのです。
同盟関係は信頼関係、連帯感です。いいとこ取りだけしていてはスムーズにいかない。今回は北朝鮮も注目しているから、ちゃんと結果を出せるかどうかがポイント。これが曖昧に終われば、北朝鮮だって好きにやってもいいと思うでしょう。
【河本】あくまでも戦争は最後の手段であって欲しい。一番かわいそうなのは一般国民です。飢餓に苦しむ国民、独裁者に牛耳られている国民を自由主義社会の方に導こう、もっと明るい世界を見てもらおうと、こういうところに力を入れるのが、日本の外交であって欲しい。この北朝鮮とイラク問題を契機に、国防安全保障、外交も見直すいい機会にきていると思います。
【青山】経済は、失われた10年を遙かに超えて苦しい状況が続いています。小泉改革は、行き詰まっているように見えるが、周りが止めさせようとしているだけで、あくまでも貫いていくべきです。
【河本】小泉改革は、われわれが納めた税金の無駄づかいをなくしていこう、ここが原点。官僚の既得権益の壁をぶち破るのは厄介ですが、小泉さんがやらなかったら100年経ってもできないでしょう。ただ、もう少しやり方に柔軟性をもたせて欲しい。
【安倍】日本が21世紀に生き残っていくには、国が無駄づかいを止めるしかない。これまで国は600兆円の借金を背負ってきましたが、小泉さんは借金の増えるスピードを落とすようにハンドルを切ったのです。
また、日本の企業は世界と闘って勝っていかなくてはならないから、日本の企業だけに付いた重しは外してやらなければ闘えない。それが規制緩和であり、税制改革ですが、改革には時間がかかります。レーガンもサッチャーも5〜6年かかりましたが、そんな悠長なことは言っておられない。来年の後半には改革を終えたい。集中の調整期間を終えれば本格的な経済回復につながると思っています。
【西田】小泉総理の考え方はだいたい都会型。中国横断自動車道・姫路|鳥取線などは播磨科学公園都市までつけて後はだめだと、決定はしてないですが、これはちょっと理解できない。
【河本】国の予算は約80兆円で1割が公共事業費。その内の7割は4大都市圏に集中的に配分されている。こんないびつな予算配分では、地方分権もうまく進まないと思います。道路の問題は、費用と効果の物差しをもってきて見直すというのがいまの流行ですが、地域の実情をもっと知っていただきたい。
【安倍】確かに、小泉さんは大都市に日本再生の機関車役を果たしてもらいたいと都市再生を打ち出したが、大阪のライフサイエンス都市構想の中には播磨科学公園都市も入っている。地方の個性ある街づくりも応援していく考えです。福田官房長官も群馬の山の中だし、私も山陰。都会だけを見ているわけではありません。道路についても、無駄づかいは止めるが大切なところは未来への投資になる、そのメリハリが大切だと思います。
【西田】日本は米以外の食料品はほとんど輸入に頼っているが、食糧危機を考えた場合にこれは問題。また、農業の後継者がいないのも問題で、農業も一つの雇用だが若い者はやろうとしない。食糧の安全保障と雇用問題の両面から日本農業を考え直す必要があると思います。
【安倍】農業は産業の一つというだけで切ってしまってはいけない、多面的な機能をもっていると、私どもはWTOでも主張しています。いわゆる非貿易的関心事項と言うのですが、環境、地域を守る、あるいは文化を守る、そういう側面も大きいと考えています。
農業は工業と違って天候に左右されます。天候異変の時は、どの国も自分の国民を飢えから守るために輸出していたものを止めることになりますが、そうなったら自給率の低い日本はお手上げです。やはり自分達の消費に見合うものを生産する、ある一定規模のものは確保しなければなりません。これが食糧の安全保障です。
【河本】貿易交渉は、常に農産物の輸出国が主役になっている。輸入国と輸出国のバランスをもう少し考えていかなければならない。食糧の安全保障という観点からも世界全体でこのことを考えていく、そういう機会が訪れたのだと思います。
【西田】龍野市の地場産業に皮革がありますが、これが非常に落ち込んでいる。中国や韓国からどんどん入ってくるためピンチになっています。輸入のあり方も政治的に十分お考えいただきたい。
【安倍】伝統産業は、私の地元でも競争力がだんだん低下していって頭を痛めています。衰退していく産業、私の地元の水産業もそうですが、守りきれるかというとはっきりとは言い切れない。やはり、新しい産業、新しい芽が出てくればその芽も生かしていくということも、バランスとして考える必要があります。しかし、集中豪雨的に輸入された場合には、これはWTOでも認められたセーフガードという権利を行使する、そういうことも必要だろうと思います。
【河本】全国の失業率が5%を超えていますが、都市部と西播磨とではずいぶん格差があります。だから、これまでと同じような一律の予算配分では時代にそぐわないと思います。
「特区」という言葉をお聞きになったことがあると思いますが、沖縄では金融特区というものが既にスタートしています。鴻池先生が特区の大臣になられてから全国で本格的に始まろうとしていますが、私がお願いしたものは、「播磨科学公園都市をもっと活かすために科学技術特区に指定してください。世界遺産の姫路城がある姫路は環境・リサイクル特区に指定していただきたい」というもので、ようやくそのことが形になってまいりました。播磨科学公園都市については、外国人研究者の滞在期間をこれまでよりも延長することと、企業が進出しやすくするために土地を廉価な賃貸方式にすることです。
地元の“宝”を活かすためには、こういう手法をどんどん取り入れていく。それが、21世紀にふさわしい街づくりだと思います。いま、そういう考えをもって日々懸命に活動しております。(拍手)
〈3月9日 於・赤とんぼ文化ホール〉

3月29日「播磨自動車道」が開通
3月29日に待望の「播磨自動車道」が開通しました。この道路は、播磨科学公園都市のメインアクセスとして早くから期待された自動車専用道路で、右の地図にありますように山陽自動車道の龍野西IC(インターチェンジ)の西に新設した播磨JCT(ジャンクション)から北に伸びて播磨新宮ICまでの12.8kmの区間のことです。
播磨自動車道は、平成3年に河本敏夫元代議士と当時の貝原兵庫県知事および建設省(現国土交通省)の間で協議して山陽自動車道の追加ICとして計画決定。翌平成4年の暮れから着工し、約10年の歳月を経て完成の運びとなったものです。将来的には、中国横断自動車道・姫路-鳥取線として南北の大動脈となる大切な道路で、新宮ICから延伸して中国道に連結するまでの間も一日も早い着工が待たれるところです。
通行料金はちょっと高め(普通車の場合、龍野西IC−播磨新宮IC間550円)ですが、水たまりができにくく防音効果もあるハイテク舗装が施されているそうですから、一度お試しください。 |

クリックすると拡大画像が表示されます
|
3月30日、国道2号線・相生駅〜竜泉間が4車線通行開始
渋滞緩和や交通安全対策などのために国土交通省では順次国道の拡幅工事を進めていますが、3月30日に国道2号線のうち相生市内JR相生駅〜竜泉交差点間の工事が完了、4車線通行が可能になりました。
1984年から相生市那波野から若狭野町鶴亀の間、約3.8kmで4車線化工事を進めていますが、この度はその一部が開通したもので、全区間の完成は2〜3年後の見通しです。また、近い将来赤穂市東有年まで拡幅する見通しです。
│
3月30日、龍野市「神岡橋(市道東田中〜沢田線)」が開通
|

クリックすると拡大画像が表示されます |
龍野市の神岡町は林田川によって東西に二分されていますが、その東西を結ぶのはこれまで県道姫路-新宮線にかかる「鳥井橋」と下流の「入野沢田橋」の2本の橋だけで、決して十分とは言えませんでした。30日に竣工した「神岡橋」は、右の地図でおわかりいただけるように南北の橋の中間位置に3番目の橋として住民の熱い期待を受けて開通の運びとなりました。
|
国道250号線「高取峠」トンネル化に調査費
浜国と呼ばれる国道250号線のうち赤穂と相生を結ぶ高取峠は、標高約100mの山中を抜ける延長4.4km、大小20のカーブが続く道路で、古くから西播磨地域における道路ネットワークの中で重要な位置づけにありながら、その厳しい立地条件のために慢性的な交通渋滞や冬期の凍結などに苦しめられてきました。
以前から、そのトンネル化は赤穂・相生両市民の切実な願いでしたが、この度、河本支部長の尽力で道路交通調査費として300万円の予算が計上されました。これは実現に向けての大きな前進と言えます。 |

高取峠の記念碑
|

河本敏夫先生の永年にわたる功績を称え顕彰するべく建立を進めてきた銅像が、5月18日に完成の運びになりました。左の写真はまだ鋳造前の粘土像で、これを石膏に移しかえ鋳造工程に入り表面の仕上げまで約1ヶ月を要します。建立場所は、相生市の国道250号線に面した白龍城東側公園の一角で、台座には小泉総理の揮毫による題字が刻まれる予定です。
「政治家は1本のローソクたるべし」と、わが身を焼き焦がしてでも周りを明るく照らすことを生涯の政治信条とした河本敏夫のブロンズ像を、5月18日以降にご覧いただけることでしょう。
クリックすると拡大画像が表示されます
|

粘土で製作した原型。
これから微調整のうえ鋳造工程に入ります。 |
|