「特区」で宝を活かせ
きょうは、3月3日、ひな祭りです。桃の節句でもあります。私のところは、2人とも息子で無縁でしたが、女のお子さんをお持ちのお宅では雛人形をお飾りになるのでしょうか?
桃の節句は桃の花が咲く頃からきているのかと思いきや、実際はまだ蕾(つぼみ)だそうで、旧暦でいう今の4月4日頃に咲くそうです。5月5日の端午の節句とのちょうど真ん中というのは面白いですね。
私は桃が大好きで、佐用の桃農園で試食させていただいたこともありますが、地元では梅の方が盛んで、桃は隣の岡山県がお得意のようです。桃はこの時期、まだ蕾ですから果実の「桃」を食べることはできませんが、加工品はいろいろあって、いつでも口にすることができます。
ここで、私が思ったのは、桃にしても梅にしても、加工品は農業と工業の組合せによって消費者に届いておりながら、生産者と加工業者は別です。食品会社が自ら農業をおこない、そこでとれた作物を加工して自社ブランドで売れば、安くできるでしょうし、その地域の経済活性化につながるかもしれません。でも、こういうビジネスは今の制度ではできないのです。
「構造改革特区」という言葉を新聞等でご覧になったことがあると思いますが、これは特定の区域に限って規制を取っ払って地方自治体や民間の知恵を活かして地域の経済・社会を元気にさせようというものです。その中で成功をおさめたものは全国に波及させて、構造改革を推し進めて景気回復につなげることも期待できます。
株式会社による学校経営への参入は既に解禁されることになりましたし、農地取得の解禁によって、上で述べた生産から加工・販売まで一貫した事業も可能となります。岩手県が提案している「どぶろく特区」に必要な酒造免許の条件緩和や、幼稚園と保育所の合同保育なども実現の見通しです。このほか、「カジノ構想」をはじめ、河川にかかる橋の上にも建物がつくれる特区、介護保険メニューに「遊び」を加えた玩具メーカーの高齢者特区など、バラエティーに富んだ構想は枚挙にいとまがありません。
これまでのいろんな制度は、中央省庁で決めた全国一律のものがほとんどでしたが、規制を取っ払うことによって、地方と民間にこんな素晴らしいアイデアがあったのかと、あらためて感心させられます。
兵庫県でも、特区に指定された場合に、税を軽くしたり融資枠を増やすなど独自の優遇策によって企業誘致を加速させるように条例を改正する方針です。
私たちの地元でも、播磨科学公園都市が外国人研究者の在留資格を3年から5年に延長することや、研究と事業活動の両方の分野での活動を可能にするなどの「先端光科学技術特区」構想を練り上げているところです。
こうした規制緩和によって、世界に誇る私たちの“宝”「SPring-8」を活かして、世界から光科学に関わる機関や研究者を集めて、世界最高水準の研究開発ゾーンとすることが可能になります。
なんか夢のような話しですが、これは一昨年の暮れに、私が「特区」構想を自民党の麻生太郎政調会長らと一緒に提案し、小泉総理が「『官から民へ』、『国から地方へ』という構造改革の柱となる。」とハッパをかけたことに端を発しています。官僚にとっては迷惑で大変なことだったかもしれませんが、ほんの少しの頭の切り替えが、新しい枠組みへの突破口となったのです。
きょうは、桃の節句から「特区」の話しになりましたが、ふとした疑問、身近な不満、なんでも結構ですからどんどん仰ってください。少しの頭の切り替えで、道は切り拓けるかもしれません。

桃と言えば、私がよく「書」にしたためる言葉に「桃李不言(とうり
ふげん)」という言葉がありますが、これは中国の古典「史記」の『桃李不言、下自成蹊』から引用したものです。
「桃や李(すもも)はものを言わないけれど、花を咲かせ実りを付けるので皆が集まって木の下には自然に蹊(小道)ができる」という意味です。つまり、人徳のある者には自然に多くの人が集まってくるということの教えです。
私も、この教えを肝に銘じ、小さくてもいいから花を咲かせ、ささやかでもいいから実をつけたいと、そう願って一歩一歩前進します。
2003年3月3日

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