これが、外交。
この新年は、デフレ不況に加えて北朝鮮とイラクの問題で、重苦しい幕開けになってしまいました。
外交を担うはずの外務省は相変わらず国民への分かりやすい説明を怠っていますが、何が起きているのか、本当のところを、皆さんと考えましょう。
ここにきてアメリカは北朝鮮に対する姿勢を変えました。北朝鮮が昨年9月に拉致を認め、アメリカのケリー特使に対して「核開発を続けている」と認めた頃にはアメリカは「一切妥協せず」の強い姿勢でしたが、北朝鮮が次々と核カードを切った今、アメリカは「核開発を諦めるならば公式文書で不可侵(攻撃しない)を確約しても良い」と言っています。これは、北朝鮮が核をちらつかせて国際社会を脅した意味が十二分にあったことになります。
日本でも「拉致問題で北朝鮮と妥協しなければ解決はない」と言う人が出てきました。また、「拉致被害者5人を北朝鮮に戻さなかったのが間違いだった」と発言する国会議員まで現れています。
私は、日本は姿勢を変える必要は全くないと考えますし、決して変えてはいけません。
私は、年末に官房副長官の安倍晋三さんと対談しましたが、考えはぴたりと一致します。そもそも拉致と核は別の問題ですし、今ここで姿勢を曲げては、拉致被害者の5人以外の方は永遠に帰ってきません。拉致被害者は最大で100人前後に達している恐れもあるのです。ひとり残らず私たちと同じ日本人ですし、ひとりひとりに家族と、失われた人生があります。
アメリカは、この一方で、イラク総攻撃の準備を進めています。イラクの独裁者は、確かに住民の生命を奪うような圧政を行っています。しかし、制裁を受けつつも民衆の経済活動には元気があり、イスラム社会であっても女性も大学に進み、働く権利が与えられています。北朝鮮の独裁者は、人口2000数百万のうち推定で300万人ほどの餓死者を出しながら、ぶよぶよの太った腹で女性をはべらしています。
日本は、これからもアメリカの強力な同盟国でなければなりませんが、同時に独立国として、こうした矛盾、現実を直視しなければならないのも当然です。
イラクに大量破壊兵器を保有する明確な証拠がない限り、また国連の承認がない限り、アメリカの軍事行動は支持できません。そして、北朝鮮の核疑惑をうやむやにして妥協することは、絶対に認められません。
世界で一人勝ちと言われている大国アメリカに対しでも、こういったことを毅然と忠告するべきです。これが、外交です。
2003年1月23日

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