訪朝は改革のシンボルのひとつ
小泉改革政権が、素晴らしいチャレンジをしています。
小泉さんが北朝鮮を訪問する決断を下したことについて、成果を疑う声も出ているようですが、私はまず、この決断そのものを、まさしく改革の一つとして強く支持します。
今やらねばならない構造改革の柱の一つは、この国の運命を官僚の手から、国民に直接選ばれた政治家の手に取り戻すことにあります。この訪朝は、その最もよい例の一つではないでしょうか。
外務官僚は、成果が出なかった場合に責任を問われることを恐れて、決してチャレンジしません。外務省に任せきりでは、トップ交渉の道は開けなかったでしょう。
歴史に残る日朝首脳会談の実現は、あくまで、小泉さんの決断力、それも「改革力」とも言うべき新しい決意に基づく決断力です。歴代首相はいつも、誰か代理の人、例えば金丸信さんとか野中広務さんとか、自分以外の代理の人を出して及び腰で交渉してきたのです。それを小泉さんは、迷うことなく、自ら堂々と正面突破しようとしています。
もちろん、ピョンヤンを訪問するだけで数々の問題がすぐに解決するわけではありません。非道な日本人拉致、日本を侵略するに等しい重武装不審船の領海侵犯、日本国民だけでなく人類をみな敵に回す核ミサイル、細菌兵器、毒ガス兵器の開発疑惑をはじめ、重大な問題がありすぎます。
北朝鮮の独裁者である金正日将軍は外交上手で有名ですから、小泉さんには驚くほどオープンな態度で接すると思います。それにごまかされないことも大切です。拉致された人々は、警察庁が認定しているのは11人ですが、実際には100人前後に達しているとの情報もあります。
私はこうした人々がひとり残らず、この祖国に帰ってこない限り、日朝国交回復はあってはならないと信じます。
しかし、「訪朝には総理の政治生命がかかっている」とか「成果がなければ帰ってこれない」などと一部の政治家や評論家が安直に言っていることは許せません。私たちの総理が道を切り開くために命がけで闘っているときは、しっかり支えなければなりません。訪朝は、新しい長い努力の始まりであって、ゴールではないことも、きちっと理解しておきたいと思います。
2002年9月5日
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