どうしても言わねばなりません
5月18日の父・河本敏夫の『偲ぶ会』には、ご多忙のところ、土曜日の昼間のお出にくい時間帯にもかかわらず、大勢の皆さまにご参会いただき、誠にありがとうございました。
心から厚く御礼申し上げます。
きょうは、やむにやまれぬ気持ちで、どうしても言わねばならないことを、心を鬼にして申しあげたいと思います。
いつの時代のどこの国にも、いろんな問題はあります。しかし、私たちの国を覆っている重い問題、すなわち「プロが責任と誇りを持って仕事をしなくなった」ということほど、国民のいまの生活、そして明日の生活を危うくする問題はありません。
中国・瀋陽の領事館で起きた事件も、日本の外交官が最低限の責任感と誇りを持ってさえいれば、中国がどんなに無礼な国であろうとも、決してトラブルにはなりませんでした。
外務省という役所は、官界で「お公家さん集団」と呼ばれています。彼らは、常識と言われるような当たり前のことでも気が付かない、周りから指摘されなければ分からないからです。大問題になって騒がれてから初めてことの重大さに気づく、本当にお粗末なありさまです。
一日、一刻も早く外務省改革をやり遂げないと、わが国が国際社会において名誉ある地位を占めることなどできないのは明らかです。
外務省の問題と並んで深刻なのが、国民の税金で公設秘書に支払った給与をどこに持ち去ったか分からない国会議員がいるという問題です。
公設秘書である限り、国会裏の議員会館で働いていなければ、仕事になりません。ところが、議員本人が「地元をずっと守っている」と常日ごろ強調している奥さんが公設秘書として給与を受け取っていた実例も、私たちの身近にあります。問題になってから奥さんをこっそり公設秘書から外したとしても、それで済む問題ではありません。
有権者から選ばれた者は、皆さんと同じ責任や生活の感覚を持っていることが大事で、制度を悪用し税金を懐に入れるかのような振る舞いは、絶対に許せないのです。私は正直、思い悩んだ末に、「どうしても言わねばならない」と、まさしく私自身の責任として決意し、これを書こうと思ったのです。
郷土の代表者であるためには、もう一つ責任があります。
それは、きちんと政党に属することです。国会はあくまで政党政治ですから、無所属では、実際は責任の果たしようもありません。
臓器移植法のように「脳死を人の死とするかどうか」といったような倫理上の問題が絡んでくる法律は、政党で縛らずに議決しても良いと思いますが、全ての法律を政党でまとめることなく進めたら、とたんに日本の政治は迷走するでしょう。そして、間違いなく国際社会から取り残されてしまいます。
新聞などで「無所属の会」という表現を目にした方もおられると思いますが、これは『無所属の会』という名の政党です。決して無所属ではありません。野党にあるミニ政党の一つですが、困ったことに政党活動をしない政党のようです。
なぜ、わざわざ政党活動をしない政党を組織するのか?それは、ずばり税金から支払われる政党助成金が狙いなのです。これまた、私たちの身近に「政党まがい」の意味不明の集団に属している人がいますが、果たしてこのままで良いのか、憤りを覚えるのを禁じ得ません。
私は、自らの胸に手を当てて考えてみるとき、至らない点もあります。
例えば、「もっと器用にものを言う方がいい」と言われることもあります。しかし、普通のサラリーマンとして皆さんと同じように苦楽を味わい、国会に送っていただいてからは、サラリーマンや農家、あるいは中小企業を支える人々の払う血税を一円たりとも無駄にせず、まして不明朗な使い方などせず、そして難しい”しがらみ”を背負うことを厭わず責任与党に属して働きました。
いま、私はあらためて「代表者の責任」というものの本当の姿を、わが郷土の有権者に明らかにしたいと考えています。

父の『偲ぶ会』で、安倍晋三副長官に代読いただいた小泉総理のメッセージに、「河本敏夫という政治家は、自らの理念をとことんまで信じて戦い抜き、しかし結果が出たあとは、一切の余計な思いも残さず、結果に従い全てをただ国民と国家と郷土のために生きた人」とありましたように、私は、いまこそ父の志を受け継いで、その理念と政治姿勢を範として、どこまでもまっすぐに国家と郷土のために生きる人になりたいと、痛切にそう思います。
2002年5月20日
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