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夢メール -20-
2002/1/28

若い希望

   日本人はいったいどうなってしまったのか。
 雪印食品が輸入牛肉を国産と偽って補助金をかすめ取ろうとした事件を知り、そう考えた方は多いでしょう。

 国の未来に不安を感じさせるのは、こういう問題だけに限りません。たとえば、成人式を見ても、親に買ってもらった高価な衣装で着飾った新成人が、大人としての責任を自覚するどころか自分を見失って騒ぎ狂い、晴れ舞台を用意してくれた大人たちに反発しています。
 成人式を廃止しようとする自治体も出はじめましたが、廃止したってこの国の若者が良い方向に変わるはずもありません。

 若者は、日本の未来そのものです。目をそむけないで、彼らの抱えている問題と私たちは向かい合わねばなりません。

 私は今日あえて、私の家庭でのことをお話しようと思います。

 成人式の当日でしたが、ことし20歳を迎える長男が珍しく電話をしてきました。「おお、どうした」と答えると、息子は妙に改まった口調で、「お父さん、ぼくが成人するまで育ててくれて、ありがとうございました」というのです。その声は、電話ではなく目の前に座って私の眼を真っ直ぐに見ながら話しているように思えるほど、明瞭な声でした。
 ああ、こいつは、どんな言葉で思いを伝えようか、ずいぶん考えてから電話してきたなと、私は感じました。そして、「そうか、これから同じ大人として一緒に荒波に立ち向おう」と答え、電話を置きました。私と息子の短い会話が、わが家の成人式のセレモニーでした。
 みなさんも、用意された行事とは別に、親と子の心が通いあう瞬間があったと思います。それが本当の成人式ではないでしょうか。

 私は、言葉を弄することができない性分です。古いようですが、親の戦う背中を見せることが、最良の子育てだと信じてきました。それは私自身も、父の背中から高い志や国を思う熱い気持ちを学んだからです。

 この国の親と子がながく受け継いできた、飾りのない親子関係、家庭での教育をもう一度見直してみるべきではないでしょうか。
 未来への希望はきっと身近なところに、隠れていると思います。
家庭で、そして親と子で、それを見つけましょう。

2002年1月28日
河本三郎

 

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