その3
公共事業改革
公共事業は、先に述べましたように、経済に血液であるカネを循環させるために、どうしても必要です。
また、私たちの日常生活に欠かせない、道路、鉄道、港湾といった産業基盤、あるいは学校、病院、公園、社会福祉施設など生活関連施設、いずれもほとんどが公共事業です。
野党の言う安直な「公共事業悪者説」に惑わされてはいけません。
しかし同時に、公共事業が必要不可欠であることに甘えて、自民党の中の利権政治家たちは、不要不急のものまで公共事業として扱い、巨額の無駄な財政投資を招いてきました。
この改革は、日本国の財政事情が先進国で最悪のものに陥った今、もはや待ったなしです。
 また、新しい課題としては、再編後の中央省庁が公共事業をめぐって主導権争いをすることを、政治の指導力で防がねばなりません。
その政治の指導力は、あえて繰り返しますが従来のような利権がらみではなく、清潔なものであることが絶対に必要です。そのために、公共事業の入札手続きの透明性を高め、談合をなくします。
公共事業の費用と効果を、客観的に評価するシステムを創設し、その評価を国民に広く知らせます。
公共事業のうち地方補助事業については、地方自治体に移して自治体の単独事業とします。
公共事業のうち、 無駄が多いと客観評価できる事業
環境破壊につながる事業
は廃止ないし縮小します。
逆に環境保護、少子高齢化の克服、ITを軸とする21世紀型産業の育成に寄与するものには、積極果敢に予算を投入します。
このように公共事業の改革において、やるべきことは多くあり、また何をやるべきかは実にはっきりしています。

自由民主党は既に、2000年7月から「公共事業抜本見直し検討会」が具体的な改革の検討に着手しました。
 これを受けて、連立与党の政策責任者会議が、中海干拓や吉野川の現地視察を実行し、8月には、「原則中止」とする基準を 事業採択後5年経過しても未着工
完成予定を20年以上経過しても未完成
現在凍結されている事業
調査を始めてから10年以上経過しても未採択―の4項目とすることを決めました。
確かに画期的です。戦後日本をリードしてきた自由民主党が実は持っている「改革バネ」が、たくましく働いていると言えます。
しかし、まだ不充分です。年数の問題ではなく、無駄が多いなら中止対象に含めるべきですし、環境破壊につながるものも同じです。
その意味で私は、一つには、連立与党が「行政評価法」の制定で合意していることを重視します。
これは、いくつかの官庁に委ねられてきた公共事業の再評価を総務省が一括して行うもので、着工前・中・後とすべての段階が同一基準で審査されることになります。
また、住民からの訴えも受け付け、その訴えにどう対応しているかを政治が監視しますから、旧来のように官任せではありません。
「一度着手した政策は変えられない」という官庁の体質を改革する意味もあります。
そして、私が特に重視しているのは、公共事業を実施していく場合の正しい業者選定、入札制度の確立です。
どこまでも透明性を高めつつ、短期間でみなが納得する業者選定をしなければなりません。
政府の責任は大きく、そのためにもしっかりした与党がきちんと抜本見直しを行わなければなりません。

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