その2
経済三改革
第一改革
『公共事業改革を柱とする、景気本格回復と財政再建の両立』 |
景気回復と財政再建の両立については、「その1
日本経済の正しい把握」で述べました。公共事業の見直しは特に重要ですから、「その3」で詳述します。

第ニ改革
『職業選択の幅拡大と、リストラ時代を終わらせ
雇用を確保することの両立』 |
日本経済を支えてきたのは、終身雇用制です。アメリカらから流れてきた、競争社会を万能とみなすような説に、惑わされてはなりません。
 日本は資源が少なく、国土も狭く、人口もさしてそう多くはない国です。世界をよく見れば、この小さな国がアメリカに次ぐ世界第2位の経済力を持っているのは、どれほど驚異的な奇跡であるかが分かります。
終身雇用によって企業が自分と家族を生涯、守ってくれるからこそ、日本の労働者のモラルは高く、モラルが高いために極めて高水準の物づくりが実現できたのです。
ソ連崩壊後、ただ独りの勝利者に見えるアメリカは、物づくりの不確かさを抱えています。アメリカ経済は今、バブルに浮かれているために労働のモラルがさらに曖昧になり、かえって昔より深刻になりつつあるのが実態なのです。このアメリカ経済の重大な欠陥は、雇用の不安定が根本原因です。労働者は、当面の給料をもらうだけ、もらい逃げを目標にしがちです。
日本がそれを真似てしまっては、最大のアドバンテージを自ら失うことになります。
私は、こう考えます。
日本も世界の基準を受け入れなければならないが、それは、必要な部分にだけ適用すべきです。
 たとえば一つは、企業の会計基準であり、別の一つは、労働者自身の希望があれば職業を移転しやすくすることです。終身雇用制から、労働者を縛り付ける側面を解消する、いわば明るい改革を行うことは社会の風通しを良くすることにもなります。
リストラ、すなわち雇用調整は、ある段階まではやむを得ない面があったと言えるでしょう。しかし、これ以上はいけません。
雇用を積極確保する企業については、政府が税制で優遇する措置を断行すべきです。
これは直接的な即効薬になります。リストラより雇用確保が経営にプラスになるのであれば、企業は必ず後者を選ぶからです。

第三改革
中小企業の保護育成と、
ベンチャーを中心とする中小企業改革の両立 |
中小企業は、必ず保護して育成せねばなりません。21世紀になっても、私はその考えを変えません。
日本経済の奇跡を支えてきた大切な原動力の一つは、中小企業だからです。
世界経済が大合併の時代に入り、日本もその影響を色濃く受けている時代であるからこそ、日本が津波に呑み込まれず独自メリットを活かすために、政府が積極的に中小企業を支えることが必要です。
しかし、いかなる中小企業も支えるという時代は、はるか遠くに去りました。
支えるべき中小企業の一つは、西播磨の地場産業がそうであるように伝統色の強い企業です。
伝統産業は、そもそも大企業ではビジネスとして成立しにくく中小企業でしか生き残れませんから、日本の社会文化、経済文化を守るために、伝統産業は政府が守る必要があります。
グローバリゼーションという名の均一化が進む世界でありますから、伝統を守ることがすなわち、日本を「守る」だけでなく「積極的な新しい繁栄」に導く道なのです。
 支えるべき中小企業のもう一つは、伝統地場産業とは対極にあるベンチャー企業です。
ベンチャーを危なっかしいものとみるならば、ソニーも松下も生まれませんでした。重厚長大の素材産業が経済を引っ張った時代は決して返ってきませんから、日本経済にはベンチャー精神が必ず必要です。
中小企業は大企業の下にあるという旧来の発想を捨て、中小企業はベンチャー企業精神の生きる独立の存在であるという新しい発想に立ち、中小企業経営において設備投資、人材の確保と育成をベンチャー型、すなわち新規分野を重視する型に転換する改革が必要です。
そして政府はそれを、税制とノウハウ・技術支援を中心に、積極的に後押しすべきです。

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